遺したもの

加藤周一自選集』10(岩波書店)です。
最晩年の著作と、著作目録がメインの巻で、そのために手に入れたようなものですが、ほとんどが『夕陽妄語』のシリーズで、短いながら、鋭い指摘がなされています。
著作目録も、年代順に記載されていて、これで、平凡社版の著作集との重複や、著作集にも、自選集にも未収録の文章をあぶりだすこともできそうです。
最後の時期の加藤さんには、1968年のことにふれたものがけっこうあります。たしか、テレビに出たときにも、そうした発言があったようです。もちろん、それは当時の暴力学生を無条件で支持するものではないのですが、そこのところの微妙さは、みておかなければならないのかもしれません。