吟味すれば
選挙になると、「しがらみのない」というフレーズが人気のようですが、投票してくれた人を「しがらみ」と思うということは、「自分は好き勝手にやりたい。投票してくれた人の気持など考えるつもりはない」という意思表示になると思うのですが、それでもそういう人に支持が集まるというのは、「私は自分の意見を聞いてくれるつもりのない人にお任せします」と考える人が多いということなのでしょうか。
広がり
『江戸詩人選集』(全10冊、岩波書店、1990年〜1993年)です。
共通一次試験の第1回は1979年だったのですが、そのときの漢文の出題は、菅茶山に関する文章でした。富士川英郎
『江戸後期の詩人たち』(近年平凡社の東洋文庫にはいったとか)に引用されていた文章だったのですが、出題者もあえて読まれないものを選んだつもりだったのでしょう。2017年のセンター試験でも日本漢文が出題されましたが、その約40年の間の、ちょうど中間くらいが、このシリーズになるのでしょうか。富士川や中村真一郎の『頼山陽とその時代』(最近ちくま学芸文庫におさめられたとか)をきっかけとしての江戸漢学への注目のなかで企画されたシリーズだといっていいのでしょう。こうしたシリーズによって、18世紀から19世紀にかけての日本(本土です)の文学の多面性がみえてきたのは、時間の重みでもあるのでしょうね。