こんなところにも

古山高麗雄『兵隊蟻が歩いた』(文藝春秋、1977年)です。
著者が召集されて戦地に赴いた、フィリピンやシンガポール、マレーシアやビルマを、1975年〜76年にかけて再訪したときの文章です。著者は、再訪の過程で、日本軍がどんな軍隊だったか、それが現地の人びとに対して何をしていたのかを考えます。ここまで戦線を広げた軍へのありかたを、〈狂気〉と評する著者の姿勢は、くみ取るべきものがありそうです。
これらの文章、『諸君!』に掲載されたようです。40年前は、こうした感覚は、全体に共有されていたのでしょうね。