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金子兜太さんが亡くなられました。何年か前に、文団連だったかの集会でお話をされたのをうかがったことがありますが、その時はあの『……許さない』の揮毫をされた直後だったかと思います。
金子さんは戦時中に兵士としてトラック島に駐屯して、孤立させられるという体験をされたそうですが、その時には、窪田精さんもトラック島に服役囚として派遣されていたようです。
補給を断つという作戦の犠牲になって生き延びるという経験が、それぞれの文学をつくっていったのですね。