タイミング

郭沫若李白杜甫』(講談社文庫、1976年)です。
文革時代の著作なので、李白をもちあげ杜甫を落とすという、いかにも的な作品です。個々の読みそのものには問題はないのでしょうが、少し意図が透けすぎではという感じもします。
この本、1971年に原著が出て、翌年に須田禎一の訳で講談社から出ます。この年は日中国交回復の年ですね。訳者は1973年に亡くなり、文庫版は1976年の7月、毛沢東死去の寸前に出ました。
ちょっとずれて、四人組失脚のあとだったら、出版企画そのものが成り立ったかどうか、そんなことも考えてしまいました。