2015-09-04 タイミング 郭沫若『李白と杜甫』(講談社文庫、1976年)です。 文革時代の著作なので、李白をもちあげ杜甫を落とすという、いかにも的な作品です。個々の読みそのものには問題はないのでしょうが、少し意図が透けすぎではという感じもします。 この本、1971年に原著が出て、翌年に須田禎一の訳で講談社から出ます。この年は日中国交回復の年ですね。訳者は1973年に亡くなり、文庫版は1976年の7月、毛沢東死去の寸前に出ました。 ちょっとずれて、四人組失脚のあとだったら、出版企画そのものが成り立ったかどうか、そんなことも考えてしまいました。