2012-07-09 交友 『文學界』8月号に、高澤秀次さんが「近代女性文学の百年」という論考を載せています。樋口一葉・岡本かの子・宮本百合子・野上弥生子を中心に取り上げています。なかでも、百合子と弥生子に焦点があたっているように見えました。ちょっと前にも、岩橋邦枝さんが野上弥生子についての評伝で、弥生子と百合子の交友をとりあげていましたが、1920年代の中産階級のありようを描いた作家としての、二人の仕事の重要性が、あらためて顧みられていることは、重要なことでしょう。西村賢太さんの私淑する藤澤清造が、1920年代の破滅型私小説の例だとしたら、それとは対照的な世界を見るということになります。