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大橋喜一さんが亡くなられたと聞きました。
戦後まもなく、さまざまな職場で、労働者の文化サークルがはじまりました。その中から、技量をあげて、専門的に文化創造にかかわっていく人たちも現われました。文学の世界では、小沢清さんとか、熱田五郎さんとかの名前が出てきますが、大橋さんは、劇作の分野で、専門的に力量を上げた方だといってよいのでしょう。
労働組合の組織率も下がり、労働者の自主的な文化運動も難しくなっている(労音や労演などの鑑賞団体もなかなか厳しいようです)なかで、文化が商業資本と個人とのつながりになってしまう(文学では、商業文芸誌の新人賞を取ることが求められてしまっています)のは、道を狭くしてしまうものではないでしょうか。