外と内

温又柔さんの『来福の家』(白水Uブックス、2016年、親本は2011年)です。
温さんは台湾出身なのですが、おさないころに、両親の仕事の都合で日本に住むようになり、日本語の世界のなかで生きてきた方です。カズオ・イシグロの逆のような感じですね。
この作品は、作者姉妹の境遇と似たような場を設定して、日本語と台湾語、中国語との関係を考えていくようなものになっています。日本語の世界が、和人のものだけではない、ということも当然ながら考えさせられます。