しみこむ

高野邦夫さんの『軍隊教育と国民教育』(つなん出版、2010年)です。
陸海軍の学校ではどんな教育がされていたのかを、実証的にとらえようとしたものです。軍隊の存在が、日常のものとして社会にうけいれられていた時代に、どういう形で軍人として〈成長〉させていくかということが、課題であったということもわかります。教育勅語軍人勅諭によってつちかわれた思念が、軍人として生きる(死ぬ)ということにつながっていくわけです。
最近の教育勅語にこだわる人たちが、意図的に勅語を誤読して〈徳目〉をもちあげているようですが、〈朋友相信ジ〉さえ守っていないようにみえますけれど、そこを自己点検しているのでしょうかね。