それでも続いている

関川夏央さんの『退屈な迷宮』(新潮社、1992年)です。
著者が南北朝鮮を訪れていろいろと感じたことを記録したもので、1980年代末の朝鮮半島の状況がよくみえます。この時代からすでに北朝鮮はすさまじい状況下にあったことはわかるのですが、当時の東欧の激動もあったのか、すぐにでも体制が崩壊するかのような観測をしているようにもみえます。
このあと、カーター元大統領の訪朝や、金正日への代替りもあり、とにもかくにもこの国は国連加盟国として現存しているのですから、ひとすじなわではいかないものだということでしょう。
関川さんによると、金正日への代替りは「長子相続」のあらわれなのだそうで、そうなると、この前マレーシアで殺されてしまった人はどうなるのかとも考えてしまいます。
圧力をかけることを好む人もいるようですが、着地点は何かということを考えないと、先は見えないように思います。