ちょっとの瑕疵

川村湊さんの『村上春樹ノーベル賞をとれるのか?』(光文社新書、2016年)です。
著者は、毎年のように、ノーベル賞の季節になると、村上春樹がとるのではないかというメディアの期待のために、テレビ局に待機することがあるのだそうですが、そうした経験もふまえて、ノーベル文学賞がどのようなもので、村上春樹がとるとするならば、どういう場合に考えられるかということを検討しています。その点では、ノーベル賞の歴史を知るということもできるものですし、賞をもらってもおかしくないような作家たちのことを知ることもできるという、けっこう役に立つものかもしれません。
それだけに、ボブ・ディランがとるとは思えないと書いたところがあって、そこは、結果的にはずれてしまったということになるのでしょうが、それもご愛敬かしれません。

川村さんの予測のなかにもあるのですが、カズオ・イシグロがもし受賞したら、日本のメディアは「日本人」として扱うのでしょうかね。南部陽一郎さんの場合とは異なるのでしょうけれど。