のどもと過ぎれば

中島三千男さんの『天皇の代替りと国民』(青木書店、1990年)です。
もともとは、大正から昭和への代替りの時の、死去と即位との事例の研究を中心にして、1988年に出版企画がたてられたようなのですが、進行中に昭和天皇の病状悪化からはじまったできごとのために、その経過をふまえた書き下ろしを加えたものだそうです。
当時のあわただしさと、その中での〈自粛〉問題などを、あらためて思い起こさせるものになっています。もう30年近く経つわけですから、そのときのことを、一過性のものにしていては、次の事態が起きたときに、いろいろなことに流されるおそれもあるのだと思ったほうがいいでしょう。特に、いまの方々は、政府首脳の考え方とはある意味違った意見表明をされることもあるのですから、ことは慎重に考えなければならないでしょう。

それにしても、青木書店は、今どんな本を出しているのでしょう。広告をほとんど見なくなったような気がします。