取材源

横田増生さんの『中学受験』(岩波新書)です。
中高一貫校の現実を考えようと、いろいろな学校だけでなく、学校になじめずに方向転換を余儀なくされた家庭や、受験そのものをやめた家庭などにも取材をして、幅広い観点から現実に迫ろうとしています。
その中で、経済的な問題から公立の中高一貫校が伸張していることや、私学の一貫校にはいっても、塾に通うと相当な出費を強いられるところにも着目しています。
それならば、私学の学費問題について考えるならば、組合の意見も取材して載せてほしかったとは思います。全国私教連にでも取材すれば、いろいろな観点がみられたのではないかとも思いました。もちろん、著者は取材をして、載せるにはあたらないという判断をされたのかもしれませんが。
あと、『公教育』ということばを、公立学校に限定して使っているようなところは気になります。私学も、学校教育法や学習指導要領にもとづいた教育をしているのですから、〈公〉ということばを、あまり狭くはとらえないほうがよいのではないでしょうか。