解放

中尾佐助『現代文明ふたつの源流』(朝日選書、1978年)です。
照葉樹林文化と硬葉樹林文化の比較の話で、果樹と穀物の問題とか、住環境における庭の位置づけとか、どちらかというと、雑多な話題のなかに、いろいろと考えてゆくものという感じのものです。もち性がある穀物を生み出したのも、照葉樹林文化だということです。
その中で、奴隷の話があって、19世紀から20世紀にかけて、タイ・ネパール・ブータンでは奴隷解放をしたのに、ダライ・ラマ政権は奴隷解放を行なわなかったと、著者はいいます。そういう政権に正統性があるのかどうか、『昔は必要だった』ではすまされないことなのでしょう。

池内紀さんの東プロシア紀行が、やっと本になったそうです。みすず書房から出たようです。詳細は後日に。