愛着

宮崎市定『中国史の名君と宰相』(中公文庫オリジナル編集、2011年)です。
全集にもれた事典の記述を中心に、いろいろな論文を集めています。
礪波護さんが解説を書いているのですが、その中で、ある学会のとき、ある研究者が太平天国論をもとに、中国史の研究者には3パターンあって、一つは冷静中立型、一つは旧秩序愛着型、もう一つは人民型とあり、宮崎は2番目だと発表したそうです。すると、参加していた宮崎は、みずから発言を求め、自分は第1の型に属しているのだとやんわりと反論したとか。
でも、この本の各論文を読むと、その研究者の発言にも道理はあるかなと思います。そこが宮崎の魅力ですから。