思い入れ

『かくして冥王星は降格された』(ニール・ドグラース・タイソン著、吉田三知世訳、早川書房、2009年、原本は2009年)です。
冥王星準惑星になるまでのプロセスを、ニューヨークのプラネタリウム運営のエピソードとあわせて書いた、科学よみものです。
とはいっても、当時のいろいろないきさつもわかりますし、科学的な知見もきちんとはいっています。
冥王星アメリカの天文学者が発見したためなのか、アメリカ人にはとても思い入れのある星のようで、惑星の定義が定められて、冥王星がその定義からはずれることがはっきりした段階で、さまざまな反応やパロディが公にされたといういのです。
そのように、ある方向につきすすむようなところも、アメリカ社会にあるのだと考えると、銃規制の問題だとか、原爆投下をめぐる評価だとかと共通する側面を、この事例から考えることもできそうです。