収奪

三木理史さんの『国境の植民地・樺太』(塙選書、2006年)です。
樺太島は、日露両国の間でいろいろな問題を抱えてきました。現地に昔から住んでいた人たちが、近代的な国家を形成したことがなかったので、ますます両国の資源の島として扱われることになったのでしょう。
たしか、本庄陸男がいくつか樺太のパルプ生産にかかわった作品を発表していたと記憶していますが。石炭であったり、パルプであったりと、寒冷地ゆえに移出が困難な季節があるという条件下での、いろいろなとりくみがあれたようです。
樺太をめぐる言説は少ないので、初歩的な勉強をするには、大切な本だといえるでしょう。