束ねる

金曜日に、テレビで『紅の豚』をやっていましたが、あの作品は戦間期のイタリアが舞台なので、ファシストイタリアのマークをつけた飛行機も登場します。そのマークをみると、当時のイタリアのおかれていた微妙な立場も考えてしまいます。
第1次大戦のとき、イタリアは連合国側にたち、ドイツやオーストリアと敵対します。その結果、南チロルなど、いくつかの領土を獲得することができました。けれども、それが政治の安定にはむすびつかず、ファシスト政権の誕生につながっていくのです。
その中でグラムシはとらえられ、トリアッティは亡命します。最近、明石書店から、グラムシの獄中ノートの新しい訳が出始めました。30年ほど前に、大月書店が全訳をこころざして、第1巻で中断したこともあって、今回は注目すべきノートにしぼった刊行にするようです。そのまま現代に結びつけるということでもないのでしょうが、これを素材にして、いろいろと考えることは必要でしょう。