これも日本

加藤周一さんの『日本文化における時間と空間』(岩波書店)です。
相変わらず切れ味鋭い論考で、日本文化の「今=ここ」にこだわる性質をふわけしています。
「うちとそと」との差をつける社会では、外のものとの関係は「上」か「下」か「人外」かで〈対等の関係〉は存在しないという構図は、現在の国際関係にもあてはまるということとか、随筆というジャンルの独自性など、いままでの加藤さんの論考でもふれられていたことが、再構成されています。
考えてみれば、こうしたブログも、「今=ここ」性の最たるものかもしれません。きちんとした論考にはならないけれど、きれぎれの断想を、いろいろな人が独自に展開するというのも、日本文化のひとつの型だといえるのかもしれません。そういう意味では、今は文化文政をすぎて、天保から嘉永のころに似ているのかもしれませんね。黒船が来たのは、嘉永6年でしたっけ。