長期と短期

松井孝典さんの『われわれはどこへ行くのか?』(ちくまプリマー新書)です。
松井さんといえば、『おばあさん仮説』(ヒトが文明をつくることができたのは、生殖能力をもたない〈おばあさん〉が、子育ての負担を軽減することができたからである)という説を、石原慎太郎がねじまげて発言したということで知っているひともいるのではないかと思います。
松井さんは、農耕牧畜を始めたときを、現生人類がほかの生物と生き方を決定的に変えたのだという立場にあります。そこからすれば、地球環境に人類がどう対応するのかは、短期的なもののみかたではだめだというのです。
どうしても、目先のことしか見えないのは、人間のもつふがいなさなのかもしれません。そこをどのようにして、長期的な展望をもっていくのか、目先の勝敗にとらわれて、護憲派でもなんでもない人を推している「護憲」の人たちをみると、どうしたのかなと、心配したくもなります。