早すぎたのかもしれない

後藤禎二『シャルダン』(青木文庫、1952年)です。
シャルダンというのは、18世紀に活躍したフランスの画家で、庶民の生活に取材した絵を多く描いた人なのだそうです。この本では、カラーもまじえて、彼の絵を図版として多く収録しています。1952年という時期に、文庫本でそうした企画をたてた青木書店は、けっこう意欲的だったのだなとも思います。
永井潔さんに、「シャルダンの背中」という小説があるのですが、その中で紹介された、「カルタの城」という作品も、図版として収められています。
当時の画家は、聖書に題材をとったような絵を描くのが主流で、(処女懐胎からはじまって、イエスの生涯のさまざまな場面などありますよね)肖像画などもお見合い写真代わりだったとも聞いたことがあります。そういう時代ですから、シャルダンのように、日常のさまざまな事象をとりあげて描いたものは少なかったということのようです。それが、今でもシャルダンをあまり素人筋で有名にしていないことにもつながるのかもしれません。

と、一回アップして、この「はてな」のキーワードでみてみると、けっこう言及があるのですね。同姓の神学者の方もいらっしゃるようですが、画家のほうも、けっこうあるようです。